活動記録其の60・木曽川編part-4
文:アビルマン隊員
2002年9月21日
日本ラインバトル!
〜新ユニット“なんとなく赤い三連星”は4つの瀬をクリアできたのか!?〜
  9月20日(金)の深夜2時頃。僕はまだ迷っていた。
 そう、次の日に控えたsakuzo隊員による自主トレ第4弾、
”ラインでライン取りをマスター&午後は長良でまったりツアー”への参加をである。
 夕方から予定が入っていたため、午前のみなら参加できると思っていたのだが、よりによってその午前は木曽川ライン下りなのだ。。ラインはいろんなHPで紹介されており、ラフティングやスポットプレイヤーの間では結構、有名らしい。

 僕も名古屋市内にある某カヌーショップ(いつもお世話になってます)のサイトを見て、
”ビビってました。。”
 そこには代表的な4つの瀬があり、写真で見るとかなりヤバそう。。。
 さらに、、、リカバリできるような箇所が少ない。。。。
 
超・鰯になっていました。

 それでも、今回を逃すと10月まで行けないこともあり、とりあえず準備をし目覚まし時計をセットして寝ることにsakuzo隊員には、明日、参加することを連絡することにして(だって朝になったら行きたくなくなるかもしれないし。鰯)。

”ピピピッ!ピピピッ!ピピピッ!ピピピッ!”
 目覚ましで起きた記憶もあって、止めたのも覚えていたのだが、気付くと朝の5時ちょうどでした。集合時間は犬山の桃太郎港に6時なので遅くとも4時には起きるつもりだったのに。。
 やめようかなと思ったけど、高速を飛ばせばいいや〜。人数も少ないから待っててくれるだろうと思い、家を
ソーッと出て一路、春日井インターを目指す。
 春日井からは裏道を知っているので、小牧まで行かずにモンキーパークを抜けていく。

 途中でsakuzo隊員に電話し、参加すること&遅れることを伝えると
「すみません! 
ワシも遅れます。。。しかも30分以上
 あの時間に正確だったsakuzo隊員もすっかり鮫に慣れて、”鮫時間”が当たり前になってきたようだ。

 ちょっと安心しながら
無事に10分遅れで桃太郎港に到着。黒太隊員(前週の雲出川で正式入隊宣言)は当然のごとく、鬼の様に怒りながら(いや、呆れながら)待っていた。

 今日はこの3人で朝練で、午後からは僕が抜けて二人で長良川をまったり漕ぐ予定だ。

 桃太郎港はアウトポイントとして多くのカヤッカーが集まるらしいが、さすがに朝の6時だと人は誰もいなかった。少し経ってポリ艇を積んだ車が2台現れたころにsakuzo隊員も到着。

 僕の車に荷物を積んでエントリーの中濃大橋に向かう前に、先程からいるカヤッカーに道を聞いたところ、普段使われている林道が通行止めになっていて通れなくなっているらしい。どうも、2回目の根尾東谷川の時と同じで大雨の影響のようだ。
 仕方がないので41号線に出て中濃大橋を目指す。その途中、黒太隊員とラインの怖さについて語っていたら、sakuzo隊員が
「ラインはラフトで漕いだことがあります。楽勝ですわ〜、最後の瀬以外は」
なんて、言うので某ショップのHPの話をしたら、確かに最後にある富士の瀬はsakuzo隊員自身、ラフトでひっくり返ったということでビビっていたようだが、それ以外に三つの瀬があることにビビりだしていた。
「やっぱり、リンクスにすればよかった」
とか、
「お腹が痛いので見学します」
とか言い出す始末だ。これがあのミスターW.Wと言われたsakuzo隊員のセリフとは。サファリに乗って
矢作川上流でウルトラ7になって以来、すっかり鰯的発言が多いsakuzo隊員であった。
 まあ、本当はW.Wでうれしいのだろうと勝手に解釈して中濃大橋からエントリー開始!
 
 僕の装備は激烈最強号+ヘルメット+ウエット+長袖(?)のアビルマン的フル装備だ。
sakuzo隊員もサファリで、黒太さんはアワーズの赤×青の旅鴉で、
なんとなく“赤い三連星”って感じだ。
 エントリしてすぐのところから遠くに白波が立っているのが見える。漕ぎあがりながらスカウティングしようとするが、流れが速くてドンドン流されていく。。

 これがライン最初の瀬“大濠の瀬”である。遠くからみてもかなりでかい。右側に大きな岩があり、そこに流れが当たってすごいことになっている。
 岩の右側は狭いうえに釣り師がいるため避けて、左側から攻めることにする。
 sakuzo隊員、僕、黒太隊員の順で瀬に入る。かなり強力な流れに激烈最強号の向きを整えるので精一杯だ。とても、ライン取りなんて今の僕には出来ないよ〜。なんて泣き言を言いながら瀬に揉まれるアビルマン(僕)であった。
 何度も、激烈最強号は艇を傾けられるが、荒波にもまれる小舟のように何とかクリア!(っていうか脱出って感じ) 続く、黒太隊員も旅鴉を戦艦大和の発進のようにバウを立てながらクリア! サファリと違って長さがあるうえに剛性が高いため、波を踏み潰していく感じだ。
 大濠の瀬を越えると可児合いの瀬がすぐ見えてきた。右カーブのアウトコースになにやら水柱が! ビビッていたら排水口があるみたいで、出てくる排水とぶち当たる波が水柱になっているようだ。
 特に障害物も無さそうなので先頭を切って瀬の中に。と、思ってたらなんかコントロールが効かない〜。頭でイメージしているコースに入れないのだ。
 大濠の瀬に続き、押し出されるようにクリア。続いての黒太隊員は左側から瀬に突入。僕からは見えなかったが、波の頂点に立ったときにパドルを挿してもコントロールが効かず、
「イッた・・・」
と思ったらしい。それを後ろから見ていたsakuzo隊員からは、諦めた黒太隊員がパドルを投げ捨てた様に見えたらしい。
 恐るべし可児合いの瀬。旅鴉をも諦めさせてしまうとは。鮫的に
“諦めの瀬”と勝手に名付けよう。(最近、隊長に似てきた?)
 sakuzo隊員も無事にクリア。コース取りによってかなり難易度が変わる瀬だった。

 その後は少し瀞場が続き、飛騨川のようなロケーションが続く。なかなかいい感じだ。でも川幅がある分、流れがないように感じるが、割に流れが早くて景色を楽しむ余裕はあまり無いかもしれない。
 しかし、汚くて臭い川だ。矢作古川のことを思い出してしまった。以前、漕いだことのある木曽川の中流は春だったのもあったせいか、そんなに感じなかったがここはかなりキツイ。癒し系カヌーチームの鮫が過去、チームとしては来た事が無いのが納得できた。

 次に我々を待っていたのは比較的小さな瀬だ。どうやらいつもより水量が少ないため潰れているようだ。この瀬にも“観音の瀬”という名前が付いていたが、隠れ岩さえ避けられれば問題ないレベルだった。もちろん僕はギリギリまで気付かずに危うく乗り上げるところだったが(←ダメじゃん)。
 流れの勢いが強いせいか弾かれるように避けることが出来た。

 ここをクリアすると右岸側には国道が見えてくる。今まで人が入れなさそうな所だったのが急に景色が広がった。
 そして向こう側にポリ艇が激しい瀬の中で弄ばれているような光景に出くわした。
 いや、それは練習をしているのであって、何度も瀬の中に入ってはスポットプレイ? をしていたのだ! これがライン下り最後にして最大の瀬“冨士の瀬”である。

 僕らはそのかなりの落差のある瀬の手前で艇を右岸に着け、歩いてスカウティングに。
 近づいてみると、、、
スゴイ落差です!汗。2mくらいあるんでしょうか?(推測含む) しかもポリ艇の人が練習している右岸側はすごいホールが出来てます。。
 実は初めてスポットプレイ? を近くで見たアビルマンなのです。
う〜〜〜む。怖い。
 とりあえず休憩してるポリ艇の方に通ることを声かけしておく。sakuzo隊員は僕と黒太隊員の“カッコイイ?写真”を撮るために、二人が通ったあとにエントリーするとのことで黒太隊員と瀬に突入!
 真ん中辺りの落ち込みが大きいけど素直なとこに入る。
ザッパ〜〜〜ン!
滅茶苦茶、怖い思いをしながら長い瀬を突き抜ける。またしても、
「イッた」
って感じになるが、運良く押し出されてクリア(本当に押し出される感じ)。
 結構、瀬が長いため後ろを見ることができなかったが、エディーに入って黒太隊員を見守ることに。旅鴉の戦闘力があればこの瀬は意外と容易だったのか無難にクリア!
 二人でエディーから見守る中、sakuzo隊員のサファリがエントリーする。そして瀬に突入。遠くから見ると本当に瀬に弄ばれているように見える(自分もそう見られていたらしい)。
 小舟のように揺れるサファリを上手く操りながら、sakuzo隊員も冨士の瀬をクリア!
 水量が少なかったせいか、sakuzo隊員がラフトでひっくり返ったという瀬を3人ともノー沈である。と、いうより僕がノー沈というのが
かなり珍しい。
 
 そしてこの後は、すぐに桃太郎港に到着。全行程7kmを1時間半で漕いだことになる。駐車場には多くのカヤッカーが集合しており、それを横目にコーヒーを飲みながら休憩して、僕は自宅へ。二人は次なる長良川中流でまったりツアーに向けて出発した。

 帰り際の車の中ではもう
「次はキレイな川で癒されたいな〜」
と思っていたアビルマンであった。








今回の教訓: 「激しい瀬もたまには楽しい。
 でも、あんまり行くと瀬疲れを起こすので注意!」