活動記録其の22・土岐川〜庄内川編
文:隊長
2001年8月13日
初の4級オーバー!! お盆スーパーバトル!
ラスティック伊藤隊員、さよならツアーに散る!?
〜そこで“疎沈王”Mr.6(シックス)の安否は?〜
 我々は「名古屋カヌーチーム“鮫”」である。そして名古屋の川といえば”庄内川”なのだ。名古屋人なら知らぬ者無きこの川だが、カヌーをやっている人はあまりいない(ってゆーか、ゼロ?)。なぜかと言えばここもご他聞に漏れず、堰堤につぐ堰堤のため、カヌーの漕行には適していない。また、比較的都会を流れているため、やはり水質は良いとはいえず、そのことも一般的なカヌイストからは敬遠される理由のひとつになっているようだ。しかしチーム名に「名古屋」を名乗るツーリングカヌーチームの我々が、名古屋の川の象徴たる庄内川を「下ったことが無い」では済まされまい。かくして我々は性懲りもなくまたしても、人が行かない未知の川制覇シリーズ〜超☆地元篇〜として庄内川下りに挑んだのだ。
 堰堤のあまりない区域を探してスカウティングしてみると下流の枇杷島橋から下は伊勢湾まで約15kmとれることが判明するが、同時に深刻な問題がひとつあった。それはあまりにも「汚い」ことである。都会の川の宿命として生活雑排水がありとあらゆるところから流れ込み、その流れを見ていると「川」というよりは「よどんだ運河」といった感じなのだ。しかし上流ならキレイだろう、ということで川を遡ってみると、「庄内川」がまだ「土岐川」と呼ばれている岐阜県・多治見市あたりからならば比較的水質もマシで、また水量もなんとかインフレータブル・カヤックが下れる程度はあるようだった。
 そこである程度雨が降った後にチャレンジしてみたいと思っていたのだが、そう思っている時に限って渇水である。タイミングを計った結果、今回、お盆休みの局地的豪雨の後に「今しかない!」と土岐川に向かったのが8月12日(日)であるが、あまりの増水のため断念。急遽、員弁川に行き先を変更することになった(※員弁川編Part−3参照)。
 そして翌13日(月)。本来ならお盆連発興業&ラスティック伊藤隊員のさよならツアーとして、本人希望の天竜川へ向かうはずだった。だが、やはり大雨の影響で天竜川も以前、気田川にいく途中に見たように濁流と化していることが予想されたため、これまた行き先を変更して土岐川〜庄内川というコースを選択することになる。しかし、それがあれほどの大事件を我がチーム“鮫”にもたらすことになろうとは...。

岐阜県側では「土岐川」と呼ばれている「庄内川」ツアーの今回のコースは、川が多治見市のはずれから両側を山に囲まれる峡谷を流れ始める部分からスタートし、愛知県側の春日井市・定光寺辺りを越えて山が少し開ける所までの約10kmとした。コースの約3分の1が土岐川(岐阜県)、残り3分の2が庄内川(愛知県)というカヌーで県境を越える作戦計画だ。しかしコース途中後半部分に玉野の堰という巨大なダム状の堰堤があり、そこのポーテージの難航が予想される。
 庄内川べりのミニストップに集まり、春日井市・高蔵寺駅前のA・COOPで食糧を仕入れて現地に向かった今回のメンバーはオレ(隊長)とイシカワ顧問、昨日の員弁川でも笑える疎沈を連発してくれたMr.6(シックス)ことダッシュ隊員、そしてコレがとりあえずファイナルとなるラスティック伊藤隊員の4名である。
多治見市のはずれから我々4人がエントリーしたのは午後約12時30分。スタート直後に結構波の立つ所があり、早速楽しませてもらう。ここからしばらくが「古虎渓」と呼ばれる渓谷で、左岸の上を道路が走っている他は人家などもほとんどない。またその道路幅もいっぱいいっぱいで広くないため車を停めるところがなく、さらに川べりがずっと崖になっているので容易には登り降りができない地形である。当然この季節でも、釣り師の姿など微塵もないため、まさにカヌー・パラダイスのように思われた(その時は...)。しかし土岐川の水質は正直イマイチで、エントリー直後の瀬で水を被ると少々ニオウような気もする。また前日まで濁流だったせいか、まだ濁りが完全にとれておらず、以前スカウティングした時より汚く(木曽川・下流くらい?)見えたのもそう感じる一因だったのかも知れない。しかし両側の山と蛇行を繰り返す川というロケーションはかなりよく、適度に現れる1〜2級の瀬もこれまたかなり楽しい。水上ピクニックってゆーか、なんかいつもの川と違ってやたら近場のため、いつものツアー(旅行)に対して、今回は遠足のような気分だ。天気もいい感じに晴れて、余計に遠足気分を盛り上げてくれる。ダッシュ隊員は昨日の員弁川で「疎沈はフネのせいじゃない」のがバレてしまったため、今日は沈しないよう小さな瀬でも気を抜かず必死で漕いでいる。水質が悪いため、水面下の岩が見えにくく、疎沈しないために細心の注意を払っているようだ。それに対してラスティック伊藤隊員は、いつものようにまったりと微笑みを浮かべながらファイナルツアーを楽しんでいる。イシカワ顧問とオレはダッシュ隊員に瀬のコースを教えながら下っていった。ムードは完全にいつものお気楽リバーツーリングである。
 しかし、古虎渓の中程、いくつかの蛇行したポイントを越えてしばらく行くと、右カーブの先に突然「ゴオォォォ!」とヤケに大きい瀬の音が聞こえ、ある部分から急に先が見えなくなっている所が! 先頭を行ったイシカワ顧問が最初に突っ込む。その後ろ姿がスッと消え、ダッシュ隊員が戦慄するが、イシカワ顧問は無事その落差1.5m近い瀬をクリアして現れた。
「うおぉぉ!」
オレも叫びながらホールに突っ込む。ドバッ! と水の固まりが襲ってくるが、こんなのは天竜川で慣れている...と、思ったら水の壁にブチ当たって胸辺りまでいっきに水中へ! 一瞬、水の中に引きずり込まれるかのような感覚があってアセるが、必死のパドリングでなんとか突破に成功した。一発だけだが凄まじい落差の瀬だった。3級以上だ。イシカワ顧問は
「4級じゃないですか?」
といっている。どちらにせよ過去我々が遭遇した最大の瀬ということだけは間違いない。あの天竜川・鵞流峡にもなかったクラスのものだ。まさに奈良・吉野川ツアー時のmiki-fish・妻隊員と同じく「人生最大の瀬(←すいません、オレもまだカヌー3年目です)」と言うべきものだった。
「シャーク3号(スターンズ・リバーランナー)で良かったー」
とムネをなで下ろしたオレなのだった。土岐川をナメてセルフベイラーの付いていない245cmの小舟・シャーク2号(GUMOTEX Jr.)にしてたらエライことになっていたところだ。そしてここでひとつの大事件が起こっていた。何と、アノ、へなちょこ“疎沈王”Mr.6(シックス)ことダッシュ隊員がこの瀬を無事クリアしていたのだ! イシカワ顧問と同じルートを追いかけたということもあるが、まぐれでも“疎沈王”にクリアできる瀬ではなかったハズである。ひょっとしてGUMOTEX・サファリの操艇法を“掴んだ”のだろうか。快挙であった。3級オーバーの瀬を3人が3人ともクリアしてしまったのだ。しかし最後に入ってきたラスティック伊藤隊員はここで見事にバランスを崩し、片輪走行のような姿勢で撃沈してしまう。壮絶な撃沈であった。今まで無敵を誇った3m56cmの“RUSTICーU”が初撃沈した瞬間でもあった。伊藤隊員は自身初の撃沈に少々驚いているようだ。笑顔も少し曇っていた。まさかこんな所にこれほどの瀬があろうとは...。増水しているとはいえ、土岐川恐るべし。この瀬を、ラスティック伊藤隊員のさよならツアーで発見し、伊藤隊員だけが豪快に初撃沈したということで、記念の意味も込めて「ラスティックの瀬」と命名する。
 どうにか態勢を立て直した我々はふたたびスタートするが、その後もダッシュ隊員は調子に乗るわけでもなく、慎重に瀬をクリアしていった。“鮫”的にはベテランの先輩・ラスティック伊藤隊員が撃沈した瀬を「クリアした」という自信がパドリングにも現れているかのように見え、Newダッシュ号GUMOTEX・サファリを乗りこなして一体感すら感じ始めているらしい。顔は自信に満ちて、ダッシュ隊員の好きなビール「エビス」のエビス様のような笑顔である。イシカワ顧問が
「いつの間にそんなにウデをあげたのー?」
と思わず聞いてしまうほど、結構な落差がある瀬でも次々クリアしていくダッシュ隊員。昨日の員弁川とはまるで別人のようだ。しかも見ていると、知らず知らずのうちに「ローブレイス」などという“鮫”的にはかなり高度なワザまで使っているではないか。しかしそんな彼を新たな試練が襲った。ってゆーか、その試練は我々全員に均等に襲いかかったのだ。
 県境を越え、「土岐川」が「庄内川」になり、しばらく行った所だった。またしても大きな右カーブの後に轟音が聞こえる。するとその前方には、下はよく見えないが巨岩がそこかしこにガンガン突き出した複雑な岩がらみの激流が100m近く続いているのが見えるではないか!! その中には、庄内川がまるで増量セールでも始めたように、15発ぐらいの瀬がスラロームチャレンジでもしろと言わんばかりの嫌らしい配置でてんこ盛りされている。しかもそれぞれの落差は最低で2級、半分以上は3級オーバーで、中には今まで見たこと無いクラスのも混じっている!


「げえっ!」
と言った時にはもう遅かった。
「おぉおおわぁあああ!」
という絶叫と共に先頭で突入してしまったオレは一発目の3級でフネが横向きになり、パドリングでなんとかバランスは保ったものの横から突撃してきた大波の直撃を受けていきなり超・水舟になってしう。
「ヤバイーっ!!」
オレは思わず叫んでいた。こんな水上のプールと化してしまったフネで、迫り来る3級の連打をかわせるのかっ!? しかし寄せる岸すら無く、それ以前にここでのヘタな進路変更は死を招く事が一目瞭然の激流のまっただ中である。
「うぉあああ!!」
意味不明の絶叫を繰り返しながら必死でパドリングする。抜刀して待ち受ける侍の集団の中へ、一人で切り込んでいくような心境である。もし誰か端から見ていたら、おそらく鬼のような必死の形相だったに違いない。しかしその時もう、オレは何も考えていなかった。とにかく岩と岩の間の落ち込みに向けてフネのヘサキをコントロールするのに全力を尽くしていたのだ。定員オーバーの水を乗せたシャーク3号はやたら重く、「あそこっ!」と思うルートを発見してもフネは言うことを聞かない。ここで思い描いたルートにこだわることは、これまた死を意味する。バウンドして右往左往しつつフネのヘサキが向いた方の最適ルートに瞬時に路線変更し、絶叫しながらもズドンズドンと落っこちる瀬をかわしていく。心臓が高速回転しているのがハッキリわかる。
「あぁああああ!」
そして最後にニョキッと三角形の岩が突き出した瀬の右をすり抜けるように突っ込む。この最後の落ち込みは1.5mをゆうに越えていたが奇跡的にクリア! たまり場に吐き出されたオレは超・水舟の中でボー然としており、ガッツポーズをとる気力さえ消え失せていた。
 しかし、1.5秒後、オレはハッ! と我に帰って振り向いた。オレには奇跡が起こったが、ウチのメンバーには!? 岸に寄せ、岩場に登って後方を見るとイシカワ顧問、ダッシュ隊員がピンポン玉のように瀬に翻弄されながらも必死にパドリングしながら下って来るのが見えた。
「おおっ! まだ沈してない!!」
と思ったのも束の間、二人とも巨岩が待ちかまえている左岸寄りに来ている。岩が下過ぎて見えないのだ。オレは大きく手を振ってゼスチャアで「右に寄れ!」と合図した。そしてそれが見えたのか岩にハネ返されたのか、進路はセンター寄り、そして右へと変わった。最後の1.5mオーバー、間違いなく“4級”の瀬が近づく。イシカワ顧問は三角に突き出した岩を上手くかわし、クリア。しかしダッシュ隊員はそれに正面から突っ込んでしまう! バランスを崩し、もんどりうって撃沈するダッシュ隊員。体が水中に転落し、波間に、恐怖に青くなってメガネのずり落ちたダッシュ隊員の顔が見え隠れする。フネに掴まりながら一瞬瀬の中で耐えているように見えたが、それも気のせいだったように結局アタマまで沈んで流されてしまう。
「ああっ! ダッシュー!!」
しかしそれが最後の瀬だったのが幸いし、フネにしがみついたダッシュ隊員は無事岸に流れ着いた。と、伊藤隊員が来ない!? 二人に続いてくるはずがちっとも降りてこないのだ。
「ポーテージしたのか? それともまさか...」
一瞬さよならツアーの「さよなら」の意味が変わってしまう不吉な想像がアタマに浮かぶ。だが、それならフネかパドルか荷物が流されてくるハズだ。そして4・5分も待ったような長い時間が流れ(しかし実際には1分も経っていない)、岩の向こうにオレンジ色のスターンズ・レイカータンデムが現れた時、オレはホッとしていた。しかしまだ、瀬のまっただ中である。伊藤隊員も右に左にパドリングしていたが途中の岩に引っかかり、オレの指示する右方向には上手くコントロールできないらしかった。そして最後の落ち込みではダッシュ隊員と同じ岩にぶつかり横転してしまう。撃沈して激流渦巻く岩場をガランゴロンと転げ落ちていく伊藤隊員! アタマが波間を浮いたり沈んだりしている。と、岩場にその巨体を引っかけていた“RUSTIC−U”が主を追って流れ出し、伊藤隊員の後頭部に迫る! しかしそこは空気の塊・インフレータブルカヤックである。ぶつかったようだが伊藤隊員はビクともせず、逆にフネにしがみつき、たまり場に流されていった。しかしたまり場も意外と流れが強いらしく、泳いでもどんどん流されていく伊藤隊員。オレはフネに飛び乗ると伊藤隊員を追い、フネの後ろにつかまらせると岸まで漕いだ。


 大事件であった。チーム“鮫”が初めて見る、問答無用の4級の瀬であった。そこで2隊員が撃沈である。ってゆーか、クリアできたオレとイシカワ顧問が奇跡だったとしか言いようがない悪魔のような瀬であった。その4級の瀬までノー沈と健闘し、かなりの実力を蓄えたと思わせたダッシュ隊員は豊川に続いてあちこち打撲した体をさすりながら、
「クソー! あの最後の所さえクリアしてれば!」
と悔しがっていた。そしてラスティック伊藤隊員は自身の「さよならツアー」で痛い撃沈連発である。しかしあの岩場をフネと離れてゴロンゴロン流されたにもかかわらず、かすりキズひとつ負っていない。しかも表情はやるだけやった後の撃沈のせいか、妙にさわやかに輝いていた。
 その瀬の下の岸で我々は休息も含めて昼食を摂ることにした。しかしここでさらに、あの瀬のモノ凄い破壊力をあらためて見せつけられることになろうとは夢にも思っていなかった。撃沈した伊藤隊員のフネに積んであったクーラーボックスを開けてみると、中に入っていたダッシュ隊員のエビスビールが衝撃で破裂していたのだ。ダッシュ隊員はメガネベルトを付けていなかったため、メガネも庄内川に取り上げられてしまっており、まさに踏んだり蹴ったりであった。そこでその瀬をどう名付けるか岩場の緊急会議が開かれた結果、「メガネの瀬」「ビール破りの瀬」を抑え、ダッシュ隊員からエビスの笑顔を奪い、エビスビールまで破壊したということで、「エビス殺しの瀬」と命名することになった。恐ろしいネーミングである。このコースにチャレンジする人はエビスビールを持ってこないよーに(って、こんなトコ誰も来ねーよ!)。

 そしてそんな豪快な瀬の下で我々が食べた今回のメニューは、ふざけたことに「しゃぶしゃぶ」なのだった。本当は天竜川に行くハズで、前回は鵞流峡でパスタを茹でるという暴挙に出た我々は、今回更なる傍若無人な振る舞いとして「鵞流峡しゃぶしゃぶ」を計画していたのだ。それが「古虎渓しゃぶしゃぶ」になってしまっただけである。豪快な瀬を通過した後はビールもウマく、食い物もウマい。ひとりアタマ1700円という“鮫”的には史上最高に豪華な川原ランチを楽しむ。 しかし、このランチの後にも懸案課題が2つも残っている。まず一つは、メガネを水の中に落としてしまったダッシュ隊員をどうするか、ということであるが、こちらはフネを畳んでイシカワ顧問のフネにくくりつけ、本人は伊藤隊員の艇の後ろに乗せることで解決した。そしてもう一つの課題・・・「予定では」最大の難所・玉野の堰のポーテージに向かった。しかし...。
 期待していた右岸の発電所施設や魚道を利用したポーテージが、偵察の結果不可能と判明したのはいったん右岸の藪のぬかるみに上陸した約5分後だった。結局施設横の細い道をフネを担いで400mほど先に見えるJR・定光寺駅辺りまで運んで、再エントリーポイントを探ろうということとなる。ひいひい言いながら適当に休憩を入れつつフネを運ぶ我々。と、今度は後方、多治見市の方角からカミナリの音が近づいてくるではないか!?
 アセったオレは途中の柵の下から強引にフネを川原に降ろして行くことを画策する。しかしみんなは前方に掛かる橋の下のゴツゴツとした岩場に、またしても増水で4級となった落ち込みを発見してそっちにアセっている。そこでとりあえずスカウティングに行くことになった。見てみると一発のみであるが、4級をさらに越えていそうな、こんもりとしたボイルを伴う脅威の瀬であった。
「越えれるかなー」
と、オレが言うとイシカワ顧問も伊藤隊員も
「これはムリでしょう!」
「死人が出ますよ!」
口々に悲壮な表情で言う。ダッシュ隊員は
「ボクはここで待ってます!」
と絶対行かないことを決意したようだ。落差はデカいが一発のみだし、流れの入り方も素直に見えたのでここは行けなくもない気がしていたオレだったが、カミナリが迫って雨が降り出しているのと、この後続く岩場にまたこれ以上の瀬が潜んでいないとは言い切れない状況のため、結局ここで撤退を決定する。
 “鮫”初の途中撤退である。イシカワ顧問と伊藤隊員が下流に停めてある車を取りに行った間に雨足が強まり、目の前の庄内川はみるみる増水していった。車が来て雨の中、フネを畳み終わってから川を見ると、先ほどまで見えた岩が見えなくなり、2級ぐらいの瀬は増水で完全に消えていた。そしてなんと橋の下の瀬は4級を通り越し、ただの黄土色の鉄砲水となっていたのだ。上流に局地的な相当量の雨が降ったらしく、増水のスピードはハンパじゃなかった。
「やめといて良かったー」
眼下の濁流を目の当たりにして、ホッと胸をなで下ろした我々なのだった。


今回の教訓: 「川は局地的豪雨で急速に増水することがある。
 注意!」
「眼鏡の人は眼鏡バンドを忘れないようにっ!」