活動記録其の35・矢作川〜矢作古川編
文:アビルマン隊員
2002年4月13日
サタデーナイトフィーバー部始動! 
〜矢作古川に香る危険な匂いの正体は?〜
にょほほ〜〜〜。2002年度入隊の期待のホープ? アビルマン新人隊員です。
 新人っぽくないとか、栄で外国人に声をかけられやすいとか、腹部肥満とか隊長に散々、言われてますが。。。。
「俺、最強!」
なので、全然聞いてません。
 そんな僕ですが普段は真面目なサラリーマンをやってます。今、仕事が滅茶苦茶忙しくて日付変更線を超えてばかりの日々なのです。おかげで、土日も出勤する日が多く、入隊したばかりの鮫の活動も2週続けて不参加です。(それでも今年も忙しいイシカワ顧問よりも参加しているが。)

 “鮫”の活動は基本的に日曜が多い! 実はこれは根拠があるようでないのです。
 以前、隊長は土曜に仕事がらみの用事が多く、
自分が参加できない → 自分が行きたい隊長 → だから日曜に“鮫”は活動
と、いう安易な意味合いで決まり、その後ずっと日曜がメインになっているのだとか。。。
 最近、俺は日曜に出勤が多くなり、“鮫”に参加できない。というわけで、「サタデーナイトフィーバー部」結成となったわけです。
 なんで、そんな名称かって? 活動が土曜だから! それだけ。しかも夜には活動しません。(キッパリ)
 まあ、そんなこんなで初の活動は俺の見たHPから矢作川の元本流? 「矢作古川」に決定!(情報提供ありがとう>バックポーラーさん)丁度、程良く緩い川だし、俺と
大学時代の同級生で5歳年下のクリ坊新入隊員の練習も兼ねてということで、通常活動の宮川ツアーを予定している前日の4月13日に開催決定となった。

 しかし、スーパーサラリーマンの宿命で危うく休日出勤が入りそうな雰囲気。。。意外と小心者のなので上司に逆らえないアビルマン(俺)であった。で、前日の12日(金)の夜に徹夜で自分の担当分のプログラムを完成させようと一人で深夜まで職場にこもっていた。自分の家には帰れないな〜、仮眠してそのまま早目に行ってスカウティングしなきゃ〜〜と思いながらの作業だ。なにせ
2週も間が空いているのだ。仕事を終わらせて、俺はうずうずしながら車を寮に飛ばした。それで結局、寮の部屋に戻ったのは朝6時だった。
 そして、俺の意識は布団の上から始まる。。。
「ん?? 
なんで携帯握りしめて寝てるんだ? ここはどこ?」
気付くと確かに出張用に借りている寮の部屋の中だが、、、俺はスーツを着たまま、片手には携帯。そんな格好であることを理解するのに20秒ほどかかってしまった。
 時計を見ると10時である。前日のたいちょーからのメールでは10時に現場近くのコンビニに集合のはずである。それどころか俺は先に到着してスカウティングをするはずだったのに。。。
 隊長に電話する俺。。
「もしもし、アビルマンです」
「うーん? どーしたー?」
「すみません、今起きました。しかも寮で(汗)」
「なにーーーーーーーーーーーーー!!!???」
かなり呆れている。しかし、その時点で隊長自身は
まだ到着していないのである。←いわゆる“鮫”時間、シャークタイム?(この時間に到着していたのはsakuzo隊員のみだったらしい)である。
今日はキャンセルしようかなと思う俺に、隊長は心やさしく、
「1時間で来い!」
とか言ってブチッと電話を切ってしまった。俺がいるのは豊橋の更に南にある田原町だというのに。。。
 仕方なく俺はスーツを脱ぎ捨てて準備をすると一路、音羽蒲郡ICを目指した。途中、スピード違反の検問でヒヤリとするが何とかクリア。これがある意味、今日「最大の瀬」ならぬ難関だったかもしれない。

 何とか1時間半でエントリーポイントに到着したが誰も見あたらない。そこで俺は、
「む? 先に来てるはずのメンバーは??」
と疑問に思い、また隊長に電話する。
「イヤー、まだコンビニで。。その辺で車を止めれそうなとこある? 右岸か左岸で」
とか、聞いてきやがる。なんて人達だ。あれから
1時間以上経っているというのに。
「それだったら左岸ですね! 500mぐらい上流に車止められる所があります」
と、南北に流れる矢作川に対して西が左岸だと思ったので答える俺。
 待つこと、数分。。。反対側の岸に隊長の赤い四駆が。。。再度、電話する。
「何で反対側に居るんだよー! おいおい〜〜? 「左岸」というのは川上から見て「左」が左岸だ〜〜〜!」
と、隊長。どうやら川の右岸、左岸とはそういう風に呼ぶらしい。
「あはははは〜」
と、笑ってゴマかしておいた。仕方なく隊長達は橋まで引き返し、橋を越えて右岸に。やっと合流である。

 今日の参加者は隊長、イシカワ顧問、アビルマン、sakuzo隊員、クリ坊新人隊員の5名である。初のサタデーナイトフィーバー部であるのになかなかの人数だ。
 予定よりかなり遅いエントリーになったがとりあえず、セットアップを開始する我々。クリ坊新人隊員には、俺が隊長からいただいたスキップジャックをプレゼント(オープン戦でクラッシュしたシャーク1号とは別のモノ)。
 俺の時と同じく、膨らますのに手間取っているクリ坊隊員を横目に、俺はいつもの「激烈最強号」こと真っ赤なサファリを汗をかきながらセッティングする。となりを見るとsakuzo隊員の艇は、、、ダッキーでもない
タダのゴムボートだ。しかも、本来は二本のパドルを横に取り付けて漕ぐ普通のボートタイプである。そしてその形状はまるでドラえもんの頭のように、艇の前が異様なくらいに丸く膨らんでおたまじゃくしのようにも見える。いや、横から見たら和式便所みたい? って説明しにくいので割愛。
 と、隊長の艇から「プシュ〜〜〜〜」と空気の抜ける音が。
「?? バルブを押しちゃったんすか?」
と聞くと、
「バルブが壊れた〜! シャーク2号が〜!」
ってわめいてる。
 どうやらバルブのプラスチック製のねじ込み部分が割れてしまい、再起不能のようだ。それでもあきらめのつかない隊長に、イシカワ顧問のカラカルに二人乗りすることをすすめる。しかし、わざわざコンビニまで行ってアロンアルファを買ってきて、なんとかくっつけようと試みる往生際の悪い隊長。すると
アロンアルファ・ゼリー状瞬間の威力は絶大で、なんとかくっついたようだ。
 クリ坊隊員もなんとかスキップジャックのセッティングが済んだらしい。彼も俺と同様に、隊長のアドバイスによって釣具屋で装備を揃えるという、なんとも“鮫”らしい行動をとっている。でも、彼のPFDは俺のよりカッコイイのでちょっとうらやましい。。。
 さらにクリ坊隊員は俺とシミズ隊員でそろえていた、ユニクロの速乾性素材・長袖ウェアも購入して来ていた!! む〜〜、すでにチーム“鮫”の正式ユニフォーム、アロハに次ぐ準ユニフォームのようだ。と思っていたら隊長まで購入してきていた。。
「こりゃ、ホントに準ユニフォームだね〜」
 これは乾きもよくて、まだ日が陰ると肌寒い時期にはピッタリなのだ。これで1980円は安い。

 まあ、かなり遅れてしまったが今日はもともと短いコース設定だったので、大丈夫だろうと矢作川にアタック開始。ここから分岐地点まで行き、最後はシーズンになると長良川の舟がやってきて舟遊び(?)をやるという矢作古川の古川橋までの予定だ。
 エントリーする川原では親子連れが川遊びを楽しんでいる。俺達を見てうらやましそうだ。孫を連れてきていた老人夫婦はスキップジャックの値段を聞いて購買意欲を掻き立てられていた。チーム鮫初の老人夫婦隊員誕生か? って、そんな訳もなく孫を乗せてあげたいようだった。
 そんな人達に見送られてスタート!!!
 いきなり川は浅いが、思っていたよりキレイかな? やはり慣れないクリ坊隊員と、ドラえもんのようなゴムボートに乗るsakuzo隊員はよたよたしている。。。
 俺は「激烈最強号」のサイストラップを装着せず、今日はまったり漕ぐ予定だ。というのも、参考にしたHPによると今日の予定コースは瀞場ばかりで瀬などなく、水量次第では水門を越えることができないというくらいなのだ。

 ひとつ橋を越えてしばらく行くとそろそろ分流点らしいのが見えてくる。浅瀬をフネを曳いて越えて、矢作古川へ入る。水の澱んだ汚さに少し不安を感じた。それでもその向こうに見える、矢作川とは違う景色にワクワクしてくる。
 矢作川は氾濫を繰り返す矢作古川を開削してできた幅の広い川で両岸はキレイに整備されているが、矢作古川はそんなに手を入れられておらず幅も狭い。両岸から木が生い茂っているのだ。やや、濁った水中には4、50cmくらいの鯉がウヨウヨ泳いでいる。sakuzo隊員が
釣って食べたそうなことを冗談で言っているが、こんな汚い川の魚は食べたくないな〜〜、と川魚自体が嫌いな俺は思った。←鮎や鱒も駄目なのだ。

 流れがゆるく、匂いもあまりよろしくない矢作古川をとろとろと漕いでいく我々。初参加のクリ坊隊員までもスキップジャックでまったりモードだ。うーーん、川口浩探検隊みたいな雰囲気はいいが、工場の機械の音が聞こえてくるなど景色と耳に入る音がミスマッチで変な感じがする。

 そんなうちに例の水門である。HPの情報によると、シーカヤックでは腰まで水につかりながら運ばなければならなかったと書いてある。でも、見た感じ通れそう。スカウティングできなかった負い目もあるので俺が先頭に。
 水門の下には鉄板が中途半端な位置で沈んでいるらしく水が段差を作っている。少しドキドキしながらまっすぐに突入。15cmくらい?の段差をクリアすると急に狭くなっているためやや流れが早い。瀬が無いこの川ではこれも瀬か?
みんな普通にクリア。ゴムボートのsakuzo隊員でも余裕のようだ(←当たり前)。いかにも突破!って感じで抜けることができた。

 その後も瀞場ばかりと思ったらホントにそうだった。。。とりあえず、コースが短いのとスタートが遅かったのもあってもう昼飯になる。

 今日から準備は給食当番制をと、隊長と話をしており、第一回の当番は隊長である。前日の出撃通知メールの中に
「矢作古川印度化計画」と称していたとおり、今日のメニューは「カレー」。しかも、冷凍の野菜だけのベジタブルカレーである。肉食の俺としてはあまり納得がいかなかったが、ルウがスパイシーカレーということで我慢した。
 ちなみに、明日の宮川では俺が当番で
「宮川でおフランスざます」とタイトルそのまんまにフランスパン食べ放題企画である。(予定)

 すごく小さな中州に上陸し、冷凍野菜だけのカレーを作る。矢作古川に漂うスパイシーなカレーの香り。。。米は各自持ち寄って、“鮫”が今年導入した大鍋で炊き上げる。鍋でご飯を炊くのは難しいイメージがあったが意外と上手く炊けたのかな? 表面積が広いため火のあたり具合が場所によって違うらしく、柔らかいとこと硬いとこがあったが、混ぜ込んでカレーをかければ気にならなかった。
 一人一合の米だったので速攻で食べきり、そこからsakuzo隊員のリクエストで俺のサファリの試乗会になった。サファリに乗り込むなり、ぐいぐい漕ぎあがるsakuzo隊員。イキナリ俺より上手い! さすがである。本人もこれでサファリ購入を確実に決意した模様である。隊長のチーム・ヘリオス計画よりも先にチーム・サファリ結成だ〜。Mr.6は未だ、参加してこないけど。。。

 そんなお遊びを終えて、再び漕ぎ出す我々。相変わらず変な雰囲気をsakuzo隊員のゴムボートが醸しだしている。バウがあまりにも球形のため風の抵抗もあるし、本来ダブルパドルで漕ぐものではないのでヨタヨタして当然だ。でもこれも「サタデーナイトフィーバー部」では、ありとしよう。
 依然、瀞場しかないためイシカワ顧問はいつものようにトローンと漕いでて、徹夜明けのせいか時々フネの上で眠ってしまっている。
 そして丁度、そんなイシカワ顧問が先頭を漕いでいる時、俺は川岸の枝が垂れている所に浮かぶなにやら肌色をした物体を発見した。危険な香りが。。。
む??? もしや、、、水死体?? (汗)。ドキドキ。の一瞬であったが、その物体はやけに血色がいい上に、人間にしては水面からあきらかに浮き上がりすぎだった。。。近づく我々、高まる緊張感。。。それはまさしく青少年の憧れ? 阿蘭陀妻(←要はダッチワイフ)であった。
「なんでこんなものが浮いてるんだ!」
と、イシカワ顧問が驚き、
「これは
南極2号ですか?」
と、sakuzo隊員が聞いてくる。
「シリコン製だな。恥ずかしくて捨て場に困って、川に投げ込みやがったなー」
と、隊長。しかしみんな、ほとんど初めてみる物体に興味深々だ。しかもそれはなぜかパンツだけ履いていて、やけにリアルだったので我々は気持ち悪くなってきてしまった。これ以上、説明したくないのでまたもや割愛。しかし写真を撮っていたイシカワ顧問が後に、
「こんな写真、恥ずかしくて現像に出せないよ〜」
とボヤいてる横で、買ったばかりのおニューのデジカメのため現像が不要のたいちょーが、笑顔でほくそえんでいた事は言うまでもない。


 そんな恐るべき浮遊物を発見した矢作古川の瀞場には、まるでお風呂で「ジャバ」を使った後のようにヘドロが固まって浮遊していた。。。両岸にはペットボトルもたくさん浮いている。
 隊長曰く、“鮫”史上2番目に汚い川(1位は庄内川)とのこと。まあ、それは承知で来たのだが、さすがのミスター沈であるこの俺も、
ここでだけは沈したくなかったのであまりはしゃがないようにしておいたのだ。明日の宮川はキレイらしいから沈してもいいやーと、思いながら。。。
 
 その後、あまりにもsakuzo隊員が漕ぎにくそうなのを見かねた俺は、逆向きに乗ることを提案。丸い方を背もたれ代わりに漕ぐ向きだ。素直に聞き入れて向きを代えて乗り込むsakuzo隊員。その姿はまるで
VIP席に座るやーさんの様だ(←ごめんなさい)。
 これぞ、まさしくインフレータブルソファ? なんとも言えない光景だ。しかし、今までよりも格段に漕ぎやすいらしく、スピードが断然早い! 新たなダッキーの登場か? と思ったが、俺だけだろう。

 そんなこともありながら、予定のアウトポイントの古川橋に無事到着して本日は誰も沈せず終了(←当たり前)。
俺はそのまま次の日の給食当番のための買い出しに出かけて行ったのであった。

今回の教訓: 「街中の川は臭い。しかし、その川の歴史や由来を知り、漕いでみる事もたまにはいいのでは?」